「スーツ姿がカッコいい人は何が違うのか?」その答えは、ずばり「サイズ」です。
どんなに上質な生地のスーツを着ていても、サイズを間違えているだけでダサく見えてしまいます。
自分のサイズが分からないので「紳士服のお店へ行けば、ぴったりのスーツを選んでくれるから大丈夫」と思っていませんか。でも、既製服の中ではジャストサイズは殆ど見つかりません。だから、店員さんは無難にフィットするサイズのスーツを勧めてくるのです。
自分のサイズを知っておくことで、他者の言うことを鵜呑みにせずご自身の判断でスーツを購入することができるようになります。
自分のサイズを知れば、相談相手のいない通販でスーツを購入したり、レンタルで借りたり、ネットでオーダーメイドのスーツを作る際にも、自分に合ったスーツを選ぶことができます。
このページでは「ジャストサイズのカッコいいスーツを着たい人」のために、スーツのサイズの知識、正しい測り方についてご紹介していきます。
自分に合ったサイズのスーツを着た方がカッコいい理由
スーツを着る際に「どうしたらカッコいい着こなしになるか?」というと、それは「自分に合ったサイズのスーツを着る」ことです。
そのためには、まず自分のサイズを知り、適正なサイズのスーツを選択することが大切です。
もし、身体のサイズを測らずに思い込みや目測だけで身体に合っていないスーツを着ると、袖が長すぎたりウエストのボタンがとめられなかったりと、だらしなく見えてしまいます。
また、サイズが合っていないために着心地も悪くなりますので、身体に合っていないスーツを着るのは百害あって一利なしです。
例えば、家具を購入する際には、設置場所のサイズを測りますよね?もし、目安で購入すると「家具が大きすぎて所定の場所に収まらない」または「小さすぎて隙間が空いてしまう」といったことが起こります。
結果、予定していた場所に置けずに不便になったり、部屋の見栄えも悪くなります。
スーツのサイズも同じで、まずは「自分のサイズを知り、身体に合ったスーツを着る」ことが1番カッコよく見えるポイントです。
外見が良くなることで自信にも繋がり、初対面の相手にも良い印象を与えることができます。
自分のサイズに合っていないスーツを着用している人は多い
ビジネス街を歩いていると、身体のサイズに合っていないスーツを着ている人をよく見かけます。
これは、本人の第一印象を悪くするだけではなく「仕事ができない人」というイメージを与える可能性があります。
その人に合っていないサイズのスーツを着用していると「身なりに気を遣う余裕がない」と思われ、乱れた生活を送るだらしない人という印象を与えてしまうのです。
例えば、太った人がジャケットの前釦がやっとしまるような小さいサイズを着ているのを見かけたことがあります。
今にも釦がはちきれそうで、人物より服に目がいってしまいました。身だしなみが整っていないと、仕事の能力を発揮する前に、悪い印象を与えてしまいます。
自分のサイズに合っていないスーツを着ている人は多いですが、一瞬にしてマイナスの判断をされて、商談が決まらない原因になるなど、気づかぬうちに損をしています。
「ビジネスを成功させたい」「相手に良い印象を与えたい」と思う方にとって、自分の身体に合ったサイズのスーツを着ることは非常に大切なのです。
既製スーツのサイズ表記の見方
身体に合っていないスーツを着ている人が多い原因は、そもそも既製スーツのサイズ表記の見方を知らないためです。
スーツにはタグと呼ばれるものが付いており、そのタグに印字されているJIS規格のサイズ表記の見方を知っていれば、自分に合ったサイズを誰でも簡単に見つけられます。
タグのサイズの見方を知れば、簡単に自分のサイズが見つけられる
まず、ご自分の持っているスーツのタグに印字されているJIS規格のサイズの見方を知りましょう。
タグはジャケットの内ポケット等についている場合が多いです。
JISとは、正式名”日本産業規格”と呼ばれる日本の産業製品に関する規格や測定法などを定めた国家規格のことであり、ファッション業界では、JISを基準に各メーカーのサイズを決めています。
そのため、一点物であるオーダーメイドや、海外からのインポート(輸入)のスーツにはJIS規格が印字されたタグはついていません。ただし、洗濯表示・原産国等が表示されたタグは付いています。
そして、タグに書かれたJIS規格のサイズ表記を見れば、自分が着ているスーツのサイズを知る事ができます。
例えばリュックのサイズ表記にH・W・Dがあります。それぞれ縦・横・奥行きを意味しており、これを知っていればすぐに適正サイズを見つけることができます。
このように、タグのJIS規格のサイズ表記の見方さえ知っていれば、自分に合ったサイズのスーツを簡単に見つけられるのです。
「96AB5」は、96・AB・5という胸囲・体型・身長がまとめられた表記です。
「96」は胸囲(バスト)を表す数値であり、偶数表記が基本となります。
その次の「AB」は、AB体という体型の目安を表す文字です。AB体の場合は胸囲(バスト)-胴囲(ウエスト)=10㎝となるため、胸囲が96㎝ならば胴囲は86㎝と分かり、もしもこのタグに胴囲の表記が無かったとしても、計算で導き出せるということですね。
体型区分は、アルファベットJ→Y→A→B→Eの順でサイズが大きくなります。「J」はかなり細身「Y」は細身「A」は標準「B」は太身「E」はかなり太身を意味します。
最後の「5」は、身長を表しています。下記の身長区分表から身長に対しての号数を判断します。「5」は、身長170㎝の人に該当します。「2」は155㎝・「3」は160㎝・「4」は165㎝と数が大きい程、身長が高くなります。また、5㎝ごとに号数で決められています。
既製スーツのサイズでは、自分の体型に合わない場合がある
既製スーツは、JIS規格に基づいて細かくサイズが作られています。しかし、既製スーツのサイズに合わない体型の人もいます。
なぜなら、既製スーツは平均的な日本人の体型を元に作られているので、全ての人に合う訳ではないのです。
そのうえ、購買層の多いサイズに絞って製造販売しているのが実情で、店頭に並んでいるサイズの選択肢はさらに限られます。
そしてこれは、太っている人だけの問題ではありません。
例えば、水泳選手の多くは肩幅がしっかりしていますが、ヒップは締まっている逆三角形の体型です。肩幅に合わせたサイズの既製スーツを着用すると、ウエストが大きくなってしまいダボっとしたシルエットになってしまいます。
このように、日本の市場では、JIS規格に基づいてサイズ展開されたスーツが販売されていますが、既製スーツのサイズが合わない人も多くいるのです。
身体に合わないスーツを強引に着てしまうと、シルエットが崩れてだらしなく見られるだけでなく、着心地も悪くなるため、せっかくの格好良いスーツも「着たい」と思えなくなってしまいます。
既製スーツが合わない時、オーダースーツなら合わせられる
既製スーツのサイズが自分の体型に合わない人には、オーダースーツがおすすめです。
細かなサイズの指定ができるオーダースーツならぴったりサイズのスーツを作ることができます。
既製スーツだと肩や胸囲でサイズを合わすので、前述の水泳選手のような逆三角形の体型の人は、ウエストからヒップにかけてのラインがもたついてしまいます。
多少であれば、ジャケットの着丈・袖丈、パンツのウエスト・股下の調整はできますが、シルエット全体を変えるような大掛かりな修正はできません。
ところが、あなたの身体の特徴に合わせたオーダースーツであれば、既製スーツが合わない人でもぴったりのスーツを作る事ができるのです。
オーダースーツは大きく分けて3種類
オーダースーツと聞いて「高価!」という印象をお持ちの方が多いのではないでしょうか。
しかし、オーダースーツの中には種類があり、一般の人が買いやすい価格のパターンオーダーから高価なフルオーダーまでランクがあります。
ここでは、オーダースーツの種類について説明していきます。ご自分に合ったタイプを探してみて下さい。
オーダースーツは、大きく分けて以下の3つに分類されます。
しかしながら、オーダースーツの呼称や内容については、各店舗やブランドで異なっています。
基準が統一されていないのが現状ですので、詳細については都度確認が必要です。
例えば、日本では、パターンオーダーやイージーオーダーもビスポークと呼んでいるメーカーがあります。
しかし本来は、フルオーダーのみをビスポークと言います(主に英語圏)。
そして、パターンオーダー・イージーオーダーは日本独自に使われる和製英語です。
パターンオーダー→イージーオーダー→フルオーダーの順で、サイズの指示を細かくできるようになり、自分のサイズに合ったスーツを仕立てることができます。
しかしながら、その分価格も高くなり、納期も長くなっていきます。
パターンオーダー
パターンオーダーは、元パターン(型紙)の中から自分のサイズに近いパターンを選ぶ形式です。
試着は採寸のためだけに作られた「ゲージ」と呼ばれる見本を使って行い、サイズの調整に関してジャケットは着丈・袖丈、パンツはウエスト・股下丈等の主要な部分のみ調整が可能で、さらに範囲制限があります。
その分、価格も既製品とそこまで変わらず、納期も約半月程度と短めです。
イージーオーダー
イージーオーダーは、パターンオーダー同様に元パターンがあり、ゲージ見本を元に自分に近いサイズのパターンを選びます。
パターンオーダーとの大きな違いは、サイズやシルエットの変更を広い範囲で行えることです。
着丈・袖丈等の主要な部分以外に、なで肩・いかり肩・反身・屈伸・袖幅・ウエスト・O脚・出尻等の詳細な部分まで体型補正を行います。
納期は、パターンオーダーより少し長めですが、約3週間~1ヵ月半程度で仕上ります。
フルオーダー(ビスポーク)
フルオーダーは、1から顧客の身体に合わせて型紙を作るので全ての部分が調整可能です。
採寸後に仮縫いがあり、そこで細かな調整を行った後パターンを作成していきます。
仮縫いは通常1回ですが、2回以上の店もあるようです。
多くの工程が職人の手作業になる為に、納期は約2ヵ月~1年と長めです。
オーダースーツを作る2つの方法
オーダースーツを作るには「実店舗に行く」と「インターネット上のお店で注文する」という2つの方法があります。
どちらが良いか、以下の特徴を踏まえてご自分に合う方を選択してください。
実店舗のオーダースーツのお店に行く
実際の店舗に行ってオーダースーツを購入する場合は、パターンオーダーからフルオーダーまで全てのタイプが選択可能です。
お店には「フィッター」という採寸の専門家がいますので、身体のサイズを正しく測ってもらったうえで注文できます。
また、パターンオーダーやイージーオーダーの場合は、試着見本のゲージがあるので、出来上がりのイメージもつきやすいです。
ネットで既製の洋服を購入した際に、サイズ表記を調べて注文しても実際に届いた商品はイメージと異なっていたり、着用してみると着心地が悪かったりという経験は少なからず誰にでもあるはずです。
店舗ならば、プロにサイズを測ってもらうことで、安心して注文ができます。その上、実際の素材や附属を触って確認できるのが利点です。
インターネットのお店で注文する
先ほど、既製品のスーツをネットで買う場合の例を挙げましたが、インターネットのお店でオーダースーツを注文することも可能です。
ただし「パターンオーダー」か「イージーオーダー」に限られます。
また、ネットでのオーダースーツを販売しているお店でも、店舗で採寸した2回目のお客様のみ受け付けるという場合も多いです。
そして、ゆとり加減はその店のパターンの特徴によって異なるので、同じ寸法を入力しても仕上がり具合は変わってきます。
その上、素材によってもサイズの仕上がり具合が多少異なりますので、生地見本を取り寄せて伸縮性や厚みを確認することをおすすめします。お店によっては、対応していない場合もありますので都度ご確認ください。
サイズの入力方法は、指定されている箇所の寸法を自分で採寸して登録する場合や、アプリを使って自動採寸するシステム等、日進月歩で新しい方法が開発されています。
過去に購入したことがあるサイトであれば、採寸データがあるのですぐに注文ができます。また、ご自分が着用しているスーツを送付すると、お店やブランドが採寸してくれる「採寸代行サービス」があります。
この様にインターネットのお店は、パソコンやスマホから注文が完了するので、店舗に行く必要がない点に於いては大変便利です。ただし、正確に採寸することが前提となります。
理想のシルエットのサイズ感をイメージしておくことが大切
スーツを作る前に、着た時の「理想のシルエット」や「着こなしのイメージ」をヴィジュアル化しておきましょう。
何も考えないで作ろうとすると、迷って時間がかかります。また、出来上がりイメージができていないために、中途半端なシルエットのスーツを作ってしまう可能性があります。
例えば、美容院に行った時に希望の髪型の写真を見せるとイメージが簡単に伝わります。
理想とするスーツの着こなしの写真を雑誌等から切り出して、そのイメージを元にサイズ感を出すとスムーズに決まります。
サイズについて
サイズを知るには正確な採寸が必要となります。ただし、ネットでの購入以外は、店舗のフィッターが計測してくれますので、自分で採寸する必要はありません。
しかし、正しく採寸できれば自分の体型の特徴を把握できる上、フィッターとの会話に臆せずに正確な寸法を伝えることができます。
例えば、靴をインターネットで買う時「27㎝」といったサイズを目安にして試し履きをせずに買ってしまうと、メーカーによって木型も異なるため届いてみたら「横幅がキツくて履けなかった」という場合もあります。正しい測り方を知ることは必須なのです。
正しい測り方を知ることで、既製スーツ購入時やネットでオーダースーツの寸法を登録する時に役立ちます。
サイズには2つの寸法がある
サイズには、2つの寸法があります。身体の実寸を測る「ヌード寸法」とお手持ちのスーツのサイズを測る「出来上がり寸法」です。
先ずは、どの様なスーツを購入するかに関わらずヌード寸法を測ってください。出来上がり寸法は、既に理想のスーツをお持ちの方のみ計測します。
サイズの測り方
前述の通り、サイズには2つの寸法があります。
ここから、ヌード寸法・出来上がり寸法の測り方をそれぞれ説明していきます。
ヌード寸法を測る
自分の身体のヌード寸法を測りましょう。独りで測るのは難しいので身近な人に手伝ってもらうことをおすすめします。
身体に合ったワイシャツとパンツを着用して、水平確認のため鏡の前で測ってください。普段、ベルトをしている人はベルトを装着してください。
【総丈】首のつけ根(ワイシャツの襟の下)からかかとまでです。靴を履いている場合は素足のかかとの位置までです。
総丈を測る時は、肩幅よりやや狭め、こぶし1つ分位に足を自然に開いた感じで立ってください。
つけ根がわからない方は、スーツ・ワイシャツ等の襟の最下部を基準にします。
【オーバーバスト】二の腕の外側1周を測って下さい。上半身のバストトップを通り地面と平行にメジャー当てたところ1周分です。
【肩巾】肩の基点から首の基点までを測り、2倍した長さが肩幅です。肩・首の基点とは、肩・首を指で押して骨が出っ張っている部分です。
【胸囲】わきの下付近を通って、胸回り(乳首の上)を水平に測って下さい。
【胴囲・中胴(なかどう)】おなかの1番出ているところで、おへその上です。
【ヒップ】お尻の1番出ているところ。
【裄丈:右・左】背中心から肩の基点、そして肘の基点を通り手首の1番細くなるところまでを腕に沿って測ります。
【袖丈:右・左】肩の基点から肘の基点を通り、手首の一番細くなるところまでを測ります。
【パンツ丈】ベルトの上の部分から足の側面に沿ってメジャーを垂直に下ろし裾までの長さを測ります。
【股上】ウエスト端から足の付け根までを垂直に測ってください。
【股下】足の付け根からかかとまでの長さを垂直に測ってください。
【ウエスト】パンツのベルトの位置1周です。 実際にズボンを履いて計測するケースが多くなると思いますので、その場合には、ベルトを外して少しウエストを下げてから測ってください。
【モモ】太ももの1番太い部分を水平に1周測ります。
【ヒザ】ヒザ頭の周囲にメジャーを回して測ります。
出来上がり寸法を測る
自分の身体に合ったスーツを既に持っている方は、ジャケット・パンツを平置きにして、出来上がり寸法を測りましょう。平置きとは、机などにしわが無いように平らな状態に置くことです。
出来上がりスーツの寸法を測れば、ゆとり分の入ったスーツのサイズが分かります。
例えばカーテンを購入する際に、窓枠のサイズを測った後、ゆとり分を考慮し出来上がり寸法を出す必要があります。もし、既にサイズの合ったカーテンがあれば、それを測るのが最も正確にサイズを知る方法となります。
出来上がり寸法を把握すれば、スーツを購入する際に理想のシルエットで着心地の良いサイズを指示することができます。
ジャケットの測り方
【着丈】襟と背中の縫い目から裾までを縫い目に沿って測ります。
【肩幅】肩と袖の縫い目から背中心を通して反対側の肩の縫い目まで測ります。
【胸囲】前ボタンを留めた状態で衿をめくって立て平らな状態にします。アームホール下(腕下)を水平に測ります。寸法×2倍にして下さい。
【胴囲・中胴(なかどう)】前ボタンを留めた状態で、ウエストの1番細い部分を水平に測ります。寸法×2倍にして下さい。
【裾口】前ボタンを留めた状態で裾の部分を直線で測ります。寸法×2倍にして下さい。
【袖丈】肩と袖の縫い目から袖口の中心辺りまで、まっすぐに測ります。
【袖巾】袖下から袖の中心に向かって水平に測ります。
【袖口巾】袖口部分を水平に測ります。
パンツの測り方
【ウエスト】ウエスト部分を水平に測ります。寸法×2倍にして下さい。
【ヒップ】ポケット下、ヒップの1番大きな部分を測ります。寸法×2倍にして下さい。
【スラックス総丈】脇線のウエストの上端から裾までを直線で測ります。
【股上】内股縫い合わせ水平ラインから前ベルト上までの寸法。
【股下】股部分の縫い目からパンツ裾までを縫い目に沿って直線で測ります。
【ワタリ】太ももの1番広い部分です。内股縫い合わせ位置からパンツの端までの水平ラインの幅の寸法。
【ヒザ巾】股部分の縫い目に沿ってパンツを折り、折り目の部分から5㎝上を水平に測ります。
【裾巾】裾部分を水平に測ります。
2つの寸法の活用方法
ヌード寸法・出来上がり寸法を計測したら、購入の際に使用してみましょう。
サイズの活用方法は、既製スーツとオーダースーツでは異なりますので以下でご紹介します。
既製スーツ
既製スーツの場合は、ヌード寸法を元にJIS規格の体型区分・身長区分表の中からサイズを決定します。
また、通常調整可能な袖丈・パンツの丈は、既製スーツを試着して長さを決めます。
理想の出来上がり寸法を持っている方は、その袖丈・パンツの丈のサイズに合わせてください。
ただし、同型のパターンはないので同じサイズでも見え方は微妙に異なりますので試着時に確認することが大切です。
オーダースーツ
オーダースーツの中でも、パターンオーダー・イージーオーダーとフルオーダーでは活用方法が異なってきますので、以下で見ていきましょう。
パターンオーダー・イージーオーダー
パターンオーダー・イージーオーダーは、ヌード寸法から近いサイズのゲージ見本を試着して調整可能な箇所のサイズを合わせます。
お気に入りのスーツの出来上がり寸法を持っている方は、調整できる箇所をそのサイズに合わせます。
ここでも、同型パターンではないので、ゲージ見本を希望のサイズに近づけるように調整していきます。
フルオーダー
フルオーダーは、ヌード寸法からゆとり分を加味してサイズを出します。
ゆとり分は、感覚によって大きく異なりフィッターの腕の見せ所でもあります。一般の人には、難しいので任せるのが得策でしょう。
ただし、理想の出来上がり寸法をお持ちの方は、フィッターにそのサイズを伝えてみましょう。要望を参考にして仮縫い時に反映してくれるはずです。
この場合も、同型パターンは存在しないので見え方が異なる場合があります。仮縫いの際に理想のサイズに合わせていきます。
スーツを着用した時に見るべきポイント
スーツを着用した際にどこのサイズをポイントにして確認したらかっこよく見えるかを知りましょう。
ポイントを把握すれば、短時間で自分に合ったサイズのスーツを作ることができます。
例えば、スマホケースを購入する際に色や材質を決めておけば、直ぐに自分の好みのものを見つけることができますよね。
確認すべきサイズのポイントを知ることで、自分に合ったカッコいいスーツを作ることができます。
ジャケット
【着丈】流行によって長さの基準は変わります。基本はヒップがちょうど隠れる長さです。最近の20代~30代は、お尻が少し覗く丈を好む傾向にあります。短めはスポーティーで、長めは正統派の印象となります。
【肩】ジャケットの肩山が自分の肩のトップ位置と合っているかを確認してください。肩より大きすぎないか、小さくて二の腕の上部にしわが寄っていないかがポイントです。
【胴回り】かつては、こぶし1個分などと言うこともありました。最近は手のひらが入る位が適切でしょう。若い世代では、第1釦を留めた時にXのしわができる位ぴったりめを好まれる方も。
【袖丈】袖口からサイズの合ったシャツが、1~1.5㎝位出ると良いと言われています。
パンツ
【ウエスト周り】ウエストは位置をしっかりと決めることが大切です。目安は、ベルト着用した状態のウエスト位置です。
ウエストのサイズが小さいとポケットが開いてしまい、大きいとベルトを締めた時にシワが寄ってしまいます。
【タック】主に3つの種類があります。ノータック・1タック・2タックです。
【ヒザ】椅子に座った時にヒザが突っ張らないかをチェックしてください。スリムなパンツが流行っていますが、ヒザが突っ張るくらいのサイズですと膝を曲げて座っている間にヒザ部分が伸びてしまい、立ち上がった時に盛り上がって、スラっとしたシルエットが崩れてしまいます。
細身でもある程度のゆとりは必要ですので、試着時に椅子に座ってのヒザのチェックは忘れずに行ってください。
【パンツの丈】パンツの丈の長さの基準は、主に以下の4種類です。
1→2→3→4の順で丈が長くなります。本来はワンブレイク(ワンクッション)が基本ですが、最近は細身のシルエットが人気ですので裾幅が細い場合はハーフブレイク(ハーフクッション)がおすすめです。
まとめ
サイズの測り方は、お店やブランドにより異なる場合があり、上記の内容は一般的な目安です。注文の際に測る場合は、そのお店やブランドに詳細を確認してください。
また、サイズの測り方・かっこよく見えるサイズのポイントは分かったけれど、自分独りで判断するのが難しいと感じた場合は、オーダースーツの専門店へ相談してみましょう。
なぜなら、身体のサイズを測れたとしても「どれくらいのゆとりを持たせれば良いか」といった微調整には、専門知識を持ったプロのフィッターの意見が必要になるからです。
「オーダーメイド」とは和製英語で本来はビスポークと呼ばれ、英語のbe sporkenが由来と言われています。その名の通りフィッターと依頼者がしっかり話し合ってスーツを作り上げていくのが本来の姿なのです。
自分に合ったスーツを作るには、フィッターとのコミュニケーションが最も大切です。また、前述の通り素材によっても微妙にサイズ感は変わってきますので実物を見ることは重要です。
実際の生地を確認しながら、身体に合ったスーツをお仕立てになりたい方は、是非「縁スーツ」にご相談ください。
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